『千と千尋の神隠し』の中でもとくに人気の高いハク。
日本的で浮世離れした美しさと落ち着いた声、いつも千尋に寄り添って導いてくれる優しさ・頼もしさに、心奪われた人は多いようですよ。
龍の姿もまた神々しくて、かっこいいですよね!
そんなハクですが、じつはモデルになった神様や動物がいるんです。
今回の記事では、ハク龍について、
- 本名
- 姿(龍・人間)
- 川
のモデルをまとめてみました。
それではお話ししましょう
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『千と千尋の神隠し』ハク龍のモデルは?【本名】
ハクは本名を「ニギハヤミコハクヌシ」といいます。
(英語版では 「Kohaku River」)
『千と千尋の神隠し』終盤で、千尋が思い出した川の名前をきっかけに明らかになりましたね。
千尋が言ったように「神様みたい」な立派な名前ですが、それもそのはず。モデルになった人物も神様なんです。
ハクのモデルは日本神話の神様
ハクのモデルは、日本神話に出てくる神様「饒速日命(ニギハヤヒノミコト) 」です。
ジブリ公式本「ロマンアルバム」で明言されています。
たしかに、ハクの本名である「ニギハヤミコハクヌシ」と、響きが似ていますよね。
一説によると、ハクのモデルになった「饒速日命(ニギハヤヒノミコト) 」は奥さんが「瀬織津姫(セオリツヒメ)」という神様だそうですが……
この「瀬織津姫(セオリツヒメ)」は、あらゆる罪や穢れを完全に祓い去ってくれる神様で、龍神(白龍)や川の神様としても信じられているそうです。
この辺りからもハクとの関係性が感じられて、ニマニマしちゃいますね。
ただ「饒速日命(ニギハヤヒノミコト)」 は謎の多い神様で、あまり文献が残っておらず、詳しいことは分からないのだとか。
ハクの本名を漢字で書くと?
公式では「ニギハヤミコハクヌシ」とカタカナ表記なので、ハクの本名に漢字はありません。
とはいえファンとしてはちょっと気になったので、仮に「ニギハヤミコハクヌシ」と漢字で書くとしたらどうなるのか、調べてみました。
モデルになった神様が「饒速日命(ニギハヤヒノミコト) 」なので、それと水に関連する「速水」から、
「饒速水琥珀主」とか「饒速水小白主」
になるんじゃないか?と考える人が多数でした。
もしくは「ハヤミ」を「速美」と考え
「饒速美琥珀主」や「饒速美小白主」
ではないかとする人も。
『千と千尋の神隠し』ハク龍のモデルは?【龍・人間】
ハクは人間と龍、2つの姿を持っています。
- 龍の姿(=ハク龍)
- 12歳の少年の姿
のモデルについてもまとめました。
龍の姿は、実在の動物がモデル
ハク龍は、実在の動物をモデルに制作されたようです。
それが、うなぎと犬。
うなぎは動き方、犬は口周りの描写の参考になったそうですよ。
言われてみると「なるほどな〜」と納得で、おもしろいです!
■千と千尋お得情報メモ ハク竜の動きのモデル
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) January 20, 2017
竜という幻想の生物をいかにリアルに動かすか、スタッフたちは当初かなり戸惑ったと言います。実はハク竜がニガダンゴを飲んで暴れ苦しむこの動き、絵コンテには「まな板に留められたうなぎ」と描かれていました!確かにうなぎのような動きですぅ😆 pic.twitter.com/5NetHyhLrw
ハク竜の口を無理矢理こじ開けてニガダンゴを食べさせるときのシーンは、犬の口が参考にされました。
— ジブリのせかい【非公式ファンサイト】 (@ghibli_world) January 7, 2022
動きを参考にするためスタッフは動物病院に行って、犬の口に手を入れたときの動きを観察しています。#千と千尋の神隠し #千と千尋 pic.twitter.com/XAK75KSQkx
ぱっと想像する龍って、もっとゴツゴツして物々しい姿かと思いますが、ハク龍はなんだか繊細で、色っぽさも感じる姿ですよね
ウロコに反射する光具合も「川の神様!」って感じがして、好きなんですよ
人間の姿のときは、平安~鎌倉時代ごろの少年がモデル?
ハクの人間の姿のモデルは、調べましたが分かりませんでした。
ですが衣装や髪型は、日本の歴史の中で実際に用いられていたもののようです。
まず衣装ですが、ハクが着ているのは「水干(すいかん)」という狩衣の一種。
宮崎監督の絵コンテに「水干を着た少年」という記載があるそうですよ
(※細かい部分はすこし違うようなので、「水干っぽい衣装」が正しいかもしれません)
水干は昔の男性装束のひとつで、平安時代末期には多くの庶民が着ていたようです。
さらに鎌倉時代に進むと、公家や武家の子ども(元服前の童形)の礼装としても用いられてきました。
ハクは神様だし礼服の意味で着ていたのかと思ったのですが、よく考えると千尋やリンたちも色違いの同じ服を着てるので、平常着として支給されたものなのでしょうか??
髪型は「禿(かむろ)」とよばれる、今でいう「おかっぱ頭」。
これは元服前(成人前)の子どもの髪型で、『平家物語』には密偵(スパイ)としてたくさん登場します。
ハクは人間のときは「12歳の少年」の姿ですから、特定の人物というよりは、ざっくり「平安時代らへんの少年」がモデルになっているのかもしれませんね。
コハク川は実在するの?【ハクの正体】
『千と千尋の神隠し』の作中で、ハクの正体は「コハク川」の神様であることが明かされます。
もし実在するなら、ファンならぜひ聖地巡礼に赴きたいところですが……残念ながら「コハク川」は架空の川。わたしたちの世界には存在しない川であるようです。
作中での千尋の話によると、「コハク川」は昔千尋の家の近くを流れていた川でしたが、マンション建設のため埋め立てられてしまったのでしたね。
近代化などで日本にそういう川はたくさんあるでしょう。
ちなみに物語がラストを迎えたあと、ハクは宣言通り湯婆婆と話をつけて元の世界に帰り、小さな小川となって千尋と再会を果たしたという考察があります。
いわゆる「幻のラストシーン」というやつですね。
また、ハクの正体について「じつは千尋の兄である」という都市伝説もあります。
気になる人はこちらも覗いてみてくださいね。▼
まとめ:ハク龍のモデルは日本神話の神様
ハク龍のモデルについて、くわしく調べてみました。
- 『千と千尋の神隠し』ハク龍のモデルは、「饒速日命(ニギハヤヒノミコト) 」
- 龍の姿は、うなぎと犬がモデル
- 人間の姿のときは、平安時代末期ごろの衣装と髪型をしている
- コハク川は架空の川なので、実在はしない
『千と千尋の神隠し』・ジブリ作品全体の中でも、ハクはとくに人気の高いキャラクターのひとりです。
本当に神話の神様がモデルだと知ってから観ると、また味わい深いかもしれませんよ。