- 『千と千尋の神隠し』で、帰りの電車がないのはなぜ?
- 駅のホームにいる女の子の正体は節子?メイ? 正直似てない気がするけど…?
今回は『千と千尋の神隠し』電車について、ネット上の考察をまとめてみました。
他にも
- 釜爺が切符を持っていたのはなぜ?
- 『千と千尋』の電車、名前やモデルは?
- ほぼすべての乗客が降りる駅 など
ちょっと気になる豆知識も調べましたよー!ぜひ最後まで読んでみてください。
『千と千尋の神隠し』をもう一度みたい人は、こちらもどうぞ。
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『千と千尋の神隠し』帰りの電車がない理由は?考察まとめ

千尋が電車の切符をもらった時、釜爺から帰りの電車がないことを念押しされます。
「間違えるなよ。昔は戻りの電車もあったんだが、近頃は行きっぱなしだ」
>>釜爺のセリフ
「帰りの電車がない」なんてどういうこと……?ネット上の考察をまとめました。
ハンコについては、こちらの記事でくわしく紹介しています。
▶
大体の考察で共通する考え
まず「この電車は”死”へと向かう電車」という考えが、多くの考察で共通してます。(前提として頭に置いておくと分かりやすいかもしれません。)
ただそうだとするなら、釜爺が「降りる駅を間違えるな」と念押ししているのも納得ですよね。終点までいってしまえば、帰りの電車がない上に「あの世」へと辿り着いてしまうから。
つまり、これから紹介する考察では、ほとんどが、
- 千尋たちが乗車した駅 → ”こちら(現世)側”
- 銭婆の家の最寄り駅「沼の底」・終点駅 → ”あちら(あの世)側”
として、その先を考えていく……という感じになっているようです。
【考察1】お盆の風習や、先祖を敬う心の廃れ【有力説】
一番「こうじゃないか」といわれているのは、お盆の行事をやらなくなってきていること。
昔は日本の風習として「お盆に先祖の魂をお迎えし、もてなす」習慣がありました。しかし現代では「ただのお休み」という感覚の人も増え、行事としての意味合いが薄れてきていますよね。
「帰りの電車がない」とは「人々がお盆の行事をやらなくなったので、先祖の魂が帰ってこれなくなっている」ことを意味している……という考察が、ネット上では一番有力のようです。

具体的にはこのようなことを、昔ほど丁寧におこなっていたようですよ。▼
- 迎え火をたいて、先祖の霊が迷わず帰ってこられるようにする
- 仏壇や精霊棚に、お供え物をする
- 家族で集まり、先祖に感謝や近況報告をする
- 最後に送り火をたいて、あの世へ見送る
お墓参りですら簡略化されつつある現代で、たしかにここまできちんとする人は少なくなっているのでしょうね……。
魂を呼び戻す力が失われ、電車はあちら側へ行ったきり(行きっぱなし)になった、ということなのかもしれません。
【考察2】日本神話における「生と死の境界の封印」
釜爺のいう「昔」は「日本神話時代」のことで、イザナギとイザナミによって「生と死の境界が生まれた」ことを指しているのでは、と考察する人もいるようです。
この説を提唱しているのは、映画評論家の岡田斗司夫さん。「アニメや映画の考察の人」として、YouTubeなどで知っている人も多いと思います。
岡田さんが自身のYouTubeで考察していた内容は、おおまかですが、こんな感じです。▼
• かつては死後の世界(黄泉の国)と現世は繋がっており、特定の儀式で会うことができたが、イザナギとイザナミによってその通路が封印された
• 釜爺は、まだ自由に行き来ができた「神話的時代の生き証人」であるため、昔は帰りの電車があったことを知っている
個人的には、釜爺が神話時代から生きている……というのは、ちょっと突飛なカンジもしてるのですが、『千と千尋』はラストにも日本神話を連想させるセリフがあるので、案外ありえるのかもなとも思います。
「さあ行きな、振り向かないで」
>>ハクのセリフ
千尋「またどこかで会える?」
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) January 7, 2022
ハク「ウン、きっと」
千尋「きっとよ」
ハク「きっと。さあ行きな、振り向かないで」#千と千尋の神隠し #金曜ロードショー #ジブリ pic.twitter.com/7N4YhLqhzD
岡田さんのYouTubeチャンネル>>公式チャンネル
【考察3】今の社会の「生きづらさ」を表している
この電車は、社会の流れや仕組みそのものを表していて、現代社会の「生きづらさ」を表しているのでは、という考察もみつけました。
この考察では、
- 行きの電車→”死”へと向かう電車→エネルギーが減少していく社会の流れ
- 帰りの電車→”生”へと向かう電車→エネルギーが増していく社会の流れ
と解釈します。
昔……特にバブル時代などは、人々や、社会全体に大きなエネルギーがあったといいますよね。ですが今の時代は、ふつうに生きているだけでも気がつかないうちに消耗し、人々は疲れ果てています……。
「行きっぱなしの電車」とは、そんな現代社会の「生きづらさ」を風刺したものじゃないか……という考察です。
【考察4】ただ「あべこべ」を表しているだけ
「行きっぱなしの電車」に特別深い意味はなくて、ただ「千尋が迷い込んだこの世界のあべこべ」を表現しただけでは……というのは、わたしが個人的に思っていることです。
正直考察としては面白くない意見だとは自分でも思ってるんですが、案外ありえたりするんじゃないかな……と。
そもそもこの世界は、何もかもが千尋の世界の常識からズレています。
- 昼に眠って、夜に働く
- 人ではない者たちが当たり前に存在している(リンや釜爺など)
- 原っぱだったところが、いつの間にか海になっている
ハクと千尋が話をしている湯屋の箱庭は日本庭園をイメージしています。紫陽花、ツツジ、梅、椿など、いろいろな季節の花が同時に咲き乱れているという設定で、これは異世界ならではのことです。#千と千尋の神隠し pic.twitter.com/zjnAoLRuDC
— キャッスル@ジブリフリーク (@castle_gtm) January 5, 2024
物理的には行った電車は必ず戻ってくるものなのに「行きっぱなし」になっているのは、「わたしたちの常識からかけ離れた、不思議の世界」であることを強調しているんじゃないかな……というのも、ひとつの考えとしてありなんじゃないでしょうか。
電車を待つ女の子の正体は?節子?サツキとメイ?

『千と千尋』の電車といえば、「駅のホームにいる女の子」の話も定番ですよね。
ホラー&子供の可哀そうな話が苦手なので、これについての考察はやらないつもりだったんですが……まとめました…。
電車を待っていた女の子とは?→駅にいる「おかっぱの女の子」
#火垂るの墓
— もてピー🐇元ミバ絵師 (@motep516) August 15, 2025
千と千尋の神隠しで節子出てくるシーンこれ本当に節子なのかなぁ pic.twitter.com/ae8s8ENwIt
まずは認識の共有から。
「電車を待っている女の子」とは、↑↑の画像の、おかっぱ頭の少女のことです。
一瞬だけ映る、言っちゃえば背景の女の子なのですが、ネット上では「ジブリ作品の登場人物ではないか?」とウワサされ、たびたび話題になっています。
【説1】『火垂るの墓』節子説
一番よくみるのは、「火垂るの墓の節子だ!説」だと思います。
節子:ハア…味がいっぱいする
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) August 14, 2015
この名言に涙する…「3週連続 夏はジブリ」
第1弾「火垂るの墓」放送中!#kinro #夏はジブリ https://t.co/F3wGxwlJcd pic.twitter.com/g9yyrA0TYo
節子説の根拠は、こんな感じ。▼
- 『千と千尋の神隠し』で千尋が迷い込んだのは「あの世」で、電車に乗っていた黒い影の乗客たちはみんな死者ではないか……という考察
- 女の子が節子に似ている
「駅のホームにいる女の子は○○」説は、そもそもが「千尋が迷い込んだのは、あの世ではないか」という考察の上に成り立っています。
その上で「女の子の髪型が節子に似ている」「兄・清太より先に亡くなってしまった」「清太が亡くなった時、節子の遺骨を持っていた」ことから、「あの世の駅で、いつか来る清太を待っているのではないか……」という考察が出回ったのです。
しかし、節子の年齢は、4歳。
劇中の節子の等身をよくみても、『千と千尋の神隠し』の駅にいる女の子は、ちょっとお姉さんすぎます。
このことから「女の子は節子ではない」と考える人が多いようですね。
【説2】『となりのトトロ』メイ説

節子説の次によく言われているのが、『となりのトトロ』のメイ。
「駅の女の子はメイではないか」説の根拠とされるのは、こんな感じです。▼
- 『となりのトトロ』の都市伝説「サツキとメイはすでに亡くなっている説」
- 服装がサツキやメイに似ている
「メイがすでに亡くなっている説」は、一部ファンの間でささやかれる都市伝説です。
「映画の途中からサツキとメイの影が消えている」「ラストシーンでなぜかお母さんに会わない」などを根拠に、「実はトトロは死神で、出会ったメイとサツキは亡くなってしまったのでは?」という内容。
けっこう知ってる人も多いと思います。
さきほどもお伝えしたように、「おかっぱの女の子は○○説」はそもそも「油屋があるこの世界は”黄泉の国”である」という考察が前提になっています。「トトロ死神説」と合わさったことで、「女の子はメイではないか?」と言われ出したのでしょうね。
ですが個人的には「ちがう」と思っているし、同じように考える人もたくさんいるようです。
そもそも「サツキとメイが亡くなっている説」は、公式がハッキリと否定しています。▼
みなさん、ご心配なく。トトロが死神だとか、メイちゃんは死んでるという事実や設定は、「となりのトトロ」には全くありませんよ。最近はやりの都市伝説のひとつです。
(中略)広報部より正式に申し上げたいと思います。
引用:スタジオジブリ公式サイト
また服装・髪型・年齢も、よくみるとぜんぜん違っているのが分かりますよね。

駅のホームにいる女の子と比べると、
- メイ(4歳)にしては大きすぎる
- サツキ(12歳)にしてはちょっと小さい
仮に「亡くなっている説」が本当だとしても、『千と千尋』の駅にいるのは「トトロに出会った時点のサツキとメイ」のはずなので、まあ……「ただの都市伝説」じゃないかなっと思います。
【説3】別にどちらでもない【有力説】
ここは沼原駅。なぜか、皆ここで降りていきます。
— ジブリのせかい【非公式ファンサイト】 (@ghibli_world) January 5, 2024
ホームにいる女の子が、節子だサツキだと言われていますけど、きっと関係なくって、当初考えていた電車内で描く予定だったドラマの名残りではないかと思います。https://t.co/ZYoMNH2Mxe#千と千尋の神隠し #千と千尋 pic.twitter.com/2dY67QoI8S
「節子ではない」「サツキでも、メイでもない」こともあって「別にどちらでもない」と考える意見が、特にいわゆる「ガチ勢」寄りの人には有力視されている印象です。
『千と千尋』では、元々「電車の中での盛り場」が描かれるはずだったのが、尺の都合でカットになったという裏話があるのだとか。
なので、↑↑のポストで書かれているように、
当初考えていた電車内で描く予定だったドラマの名残りだと思います。
が、一番近いのではないでしょうか。
【その他の考察まとめ】こんな意見もありました
節子・サツキorメイ説のほかにも、ネット上では「この女の子は何者か?」考察されていました。▼
- 『おもひでぽろぽろ』のタエ子(小5の時の)じゃないか?でも服装がちがうか……
- 節子でもメイでもなく、「家族より先に亡くなってしまい、いつか来る両親を待つ女の子」ではないか
- 女の子は千尋自身の姿。引っ越しの時に味わった喪失感を象徴したもので、未練を乗り越えて、前に進もうとする心理描写じゃないか
電車にサツキとメイが乗っている?
もうひとつ、駅のホームではなく「電車の中に、サツキとメイが乗っている」という都市伝説もあるようです。
しかし、映像としては確認できません……。
これに関しては、「節子orメイがホームにいる説」から派生した、完全な都市伝説ってことなんじゃないかなと思います。
釜爺はどうして切符を持ってたの?

「40年前の使い残しだ」といって釜爺が渡してくれた切符を使って、千尋は電車に乗り、銭婆のところへ向かいました。
しかし電車の切符は、簡単には手に入らない貴重品のようです。リンが「どこで手に入れたの、そんなの?」と不思議そうにしていましたよね。
どうして、釜爺は切符を持っていたのでしょう?
こちらもネット上の考察をまとめてみました。
【考察1】湯婆婆・銭婆との三角関係


いきなり衝撃の内容(笑)。
釜爺が切符を持っていたのは、釜爺が銭婆のところへ通っていたからではないか、という考察があるんです。
釜爺は千尋がハンコを返しに行くと言った時、銭婆の家も、銭婆の性格的なことも知っていましたよね。
「あの魔女は怖えぞ」
>>釜爺のセリフ
このセリフから「かつて釜爺は、銭婆とも交流があったのではないか」と言われ、そこから「実は湯婆婆・銭婆との三角関係があったのでは!?」と言われ出したっぽいです。
個人的には「まあナイでしょう」と思ってます。
【考察2】神話時代の生き証人
「帰りの電車がない」理由の考察にも挙げた、岡田斗司夫さんの「釜爺は日本神話時代の生き証人」説の続きのようなものですね。
太古の大昔。黄泉の国と現世はつながっていて、特定の儀式をすることで死者に会いに行き、帰ってくることができました。その時には「帰りの電車があった」のです。
神話時代から存在している釜爺は、当時の交通手段の名残として、切符を持っていたのでは……と、いう考察です。
『千と千尋』の電車について豆知識
電車について、「ちょっと気になるな」「知ると面白い」豆知識てきなものをまとめました。
電車の名前は「海原電鉄」
釜爺がくれた切符には、「海原電鉄」と書いてあります。
これが電車の名称なんでしょう。
【朗報】
— 銭目田貨与 (@zenimedakayo) May 4, 2024
千と千尋の神隠しの切符
通販で買える(・ω・)ちょっと欲しい pic.twitter.com/ssTDVpMrkV
※この「海原電鉄回数券メモ」は、ジブリパーク構内・ジブリ公式ネットショップ「どんぐり共和国そらの上店」などから買うことができます。
こちらからも(在庫があれば)買えます。▼
電車に書いてある「中道」
電車の先頭には「中道」と書かれた表札のようなものが掲げられています。これは「行先」を表していると考えれらます。
これもいくつか考察があるのですが、この「中道」という表示は、人生という名の線路を歩む際に、右にも左にも偏りすぎず、自分にとっての最適なバランスを見つけなさい……というメッセージなのかもしれません。
登場する駅は6つ
『千と千尋の神隠し』の海原電鉄の駅で、登場したのは6つです。
復楽駅→(油屋駅?)→南泉駅→沼原駅→北沼駅→沼の底駅
最初の駅は、冒頭で千尋たち親子が通ってきた駅のことですね。よくみると構内に「復楽」と書かれた時計台があるため、駅名ではないかといわれます。
「電車の音!」
「案外駅が近いのかもしれないね」
>>千尋、千尋のお母さんのセリフ
「沼原駅」で、ほとんどの乗客が降りていく
「沼の底駅」壊れた時計
銭婆のところへ行くために千尋たちが降りた駅「沼の底」には、壊れた時計だけがあります。
特徴的なのは、「針」がないこと。これは、永遠に止まったまま進まないことから
- 人生の時が止まっている
- 限りなくあの世に近い場所 または
- 時間の概念から外れた特別な領域 を暗示しているのではないかともいわれています。
窓ガラスに映る千尋の表情のちがい
千と千尋の神隠しのこのシーン
— ちゃんあお (@14tkyn9xx) September 22, 2015
千尋は銭婆の家に向かっているところで決心したような強い顔であるが、窓ガラスにうつる反対側の顔はまた違う表情。
宮崎駿まじですごいわ🐒✨🍀🌼 pic.twitter.com/VYJf512bJ1
よくみると、眉の角度がちがうんですよね……。
「今度は自分がハクを助ける!」という気持ちと、「ハクは無事だろうか」「両親は食べられていないか」……と不安な気持ち。
2つの千尋の感情が、こんな形で表現されていたとは驚きでした……!
『千と千尋の神隠し』がもう一度観たくなってきた…という人へ

ここまでお読みくださり、ありがとうございます!
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