【考察】ニシンのパイはおばあちゃんの嫌がらせ？なぜ送ったか理由を解明

「ニシンのパイはおばあちゃんが嫌がらせで孫娘に送った」説があるらしいですが、個人的にはなし寄りのなしです。

（この言い方ももう古いのかな？(^_^;)）

とはいえ、一般的な孫の立場から同じことをされたら「嫌がらせだ！」と思う気持ちもわかります。

もしかしたらネタ的に言われてるだけかもしれませんが、いちジブリファンとして放っておけないので、マジメに反論を考えてみました。

嫌がらせと思う人も、思わない人も、よかったら読んでみてください。

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「ニシンのパイがおばあちゃんの嫌がらせ説」なぜ？4つの理由

引用：スタジオジブリ

まずは前提。

なぜ「ニシンのパイはおばあちゃんの嫌がらせだ」と言われるのでしょうか。

理由はこのあたりのようです。

実際のスターゲイジーパイの衝撃的な見た目

これはもう知っている人も多そうですが、まず見た目ですよね。

「ニシンのパイ」は、イギリスの伝統料理として実在するパイです。

正式には「スターゲイジーパイ」＝「星を見上げるパイ」といいますが、その衝撃的な見た目がこちら。

※微ホラー注意です

魔女宅に出てくるニシンのパイ、
女の子が「あたし、このパイ嫌いなのよね」って言う気持ち、少しわかる🥺
ってかキモイ過ぎる😭 pic.twitter.com/zWz7HPQbkx
— 青いストラト (@koda_yuki_0812) May 23, 2023

なんじゃこりゃ！

いやこれは嫌がらせでしょ！！

まあ...この見た目ならね苦笑

孫娘にはニシンのパイ、キキにはチョコケーキ

おばあさんがキキには「かわいいチョコレートケーキ」を贈っていることも、嫌がらせ説の理由です。

ノーカット放送#魔女の宅急便
🍴明日よる9時🍴
お昼どきなので
キキの手作りホットケーキ🥞
おばあさんお手製チョコレートケーキ🎂をお届けします pic.twitter.com/VCcG8CtRvO
— アンク＠金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) April 28, 2022

ん？おばあさんがキキにチョコケーキあげるシーンなんてあったっけ？

おばあさんがキキにチョコレートケーキを送ったシーンは、クライマックスの飛行船事故が起こる直前です。

絵描きのお姉さんと別れグーチョキパン店に戻る前に、キキは再びおばあさんに会いに行きます。

そこで「これをキキという人に届けてほしいの」

＝「これをあなたに贈りたいの」という粋な演出とともに、キキはチョコレートケーキを受け取りました。

どう考えたって孫娘にもチョコケーキをあげた方が喜ばれるだろうに、わざわざニシンのパイにしたのは嫌がらせだろうと、言われてしまってるようです。

あとさ、ここのシーンでおばあさんが「これをキキという人に届けてほしいの」って言うよね？

でもキキは目の前にいるじゃん？

おばあちゃんはもしかして認知症だったわけ？

ちがいます

このセリフもたまに勘違いされてるみたいですが、認知症やボケてるわけじゃーありません。

直後キキに「キキ？」と覗き込むように言うことからも断言できますね。

落ち込んでるキキに対するおばあさんの粋な依頼が良過ぎる。
泣くのを堪えて「その子もきっと喜ぶと思う」と返すキキがまた良い。
このシーンが魔女の宅急便で一番好き。 pic.twitter.com/WvV5O3je8k
— デッドプー太郎 (@deadpootarou) March 27, 2020

孫娘は「いらない」とちゃんと伝えてる

孫娘のセリフに「だからいらないって言ったのよ…」とあります。

つまり孫娘はちゃんと「いらない」と、おばあさんに伝えているってことですね。

彼女は良くも悪くも裏表のない性格っぽそうですから、ストレートに「いらん」と言ってそうです。

「いらない」と言ったのを無視して送られたものなら、嫌がらせととらえられてもムリはないですね。

視聴者が今リアルに「祖母からの宅配便に困っている」

視聴者自身が、自分の祖母や母親から送られてくるものに心底困っている場合も、ニシンのパイを嫌がらせととらえるかもしれません。

だとすると、気持ちはめちゃくちゃわかります…

今のご自分と、ニシンのパイの女の子（孫娘）を重ねているということですね。

事実、いらない物が送られてくるのをありがた迷惑に思っている人はたくさんいるようです。

どうして無視するんでしょうね？いらない、って遠慮なく言ってるのに！

引用：Yahoo!知恵袋

「ニシンのパイはおばあちゃんの嫌がらせ説」否定の根拠４つ

引用：スタジオジブリ

とはいえ、わたしは「ニシンのパイ嫌がらせ説」は完全否定派です。

その根拠が4つあるのでご紹介します。

おばあさんの人柄

へんに裏を読まず、曇りなき眼まなこで「ニシンのパイのおばあさん」を思い出してください。

我が名はアシタカ
曇りなき眼で見定め結果
「セーフ」である‼️ pic.twitter.com/Yp559MWusX
— ヒューズ@薬剤師の副業・転職・働き方支援 (@kenkoukosodate) October 22, 2023

ニシンのパイのおばあさんは、だれかに嫌がらせをするような陰湿で小さい人ではないはずです。

こんな感じじゃないですか？

おだやかで優しい性格
上品
お金に執着がなく、それでいて価値を理解している
お手伝いさんや宅配業者にも心配りができる

キキにお茶菓子をごちそうしたり、
お手伝いさん（ピンクの服のおばあさん）が同じ部屋でテレビを観るのを許したり

から考えても、分け隔てなく人のことを大切にする、懐の深い人物ということがわかります。

ちなみに、おばあさんがお手伝いさんを「ばあさん」と呼ぶのに違和感を感じる人は多いですが、じつは名前で「バーサ」と呼んでいるんです

↑記事最後の方に「おばあさんの名前や声優は？」の見出しでも紹介してます。

「私の自慢の料理」

キキがはじめておばあさんに会ったとき、ニシンのパイを「私の自慢の料理」と言っていましたね。

「自慢」というくらいですから、

だれかに振舞ったことがあり、かつ評判がいい

のでしょう。

さらにオーブンで焼かれる前のニシンのパイを見ても、かわいく丁寧に作られたことが想像できますね。

「本当にただ喜んでもらいたい」というおばあさんの真心が伝わってくるようじゃないですか？

キキに孫娘の愚痴を言わない

もし嫌がらせを考えるくらい孫娘を憎らしく思っていたら、愚痴のひとつやふたつ抱えてるでしょう。

キキに対して「あなたは本当に優しくていい子ね。それに比べてうちの孫娘は…」と、愚痴を言いそうなものです。

そういうのを言っちゃう人にとっては、にこにこと話を聞いてくれるずっと年下の子なんて（言い方悪いけど…）格好の餌食ですよね…

嫌がらせなら、何か描写があってもよさそう

だんだんムキになってきちゃってる自覚はありますが、ここまで言わせてください…(>人<;)

もしニシンのパイが「嫌がらせの描写」だとしたら、宮崎駿監督なら何か表現してきそうな気がするのです。

もちろんお会いしたこともない方なので想像でしかないですが

『魔女の宅急便』に限らず、キャラクターの目線や言い方や仕草など「だれが気づくねん」みたいな細かーーい隠れポイントが散りばめられている宮崎作品。

（↑だからこそ何度見ても発見があって面白い）

ニシンのパイのおばあさんについてその辺は情報も出てないと思うので、これもひとつ「嫌がらせ説」を否定する材料になるかな、と個人的には考えます。

結論：ニシンのパイは嫌がらせじゃない

以上4つの根拠から、おばあさんが孫娘に嫌がらせをするような人には思えません。

少なくとも、おばあさん本人は善意しかなかったはず。

ニシンのパイはおばあちゃんの嫌がらせ説は、絶対ちがうと言いたいのです。

とはいえ……ね。

正直『魔女の宅急便』のおばあさんだからそう言えますが、リアルにスターゲイジーパイが届いたら「は？怒」となると思います

じゃあなぜニシンのパイを送ったのか考察

嫌がらせでないなら、なぜ「いらない」と言われたニシンのパイを、おばあさんは孫娘に送ったのでしょう？

これもガチめに考えました

「いらない」の意図が正しく伝わってない

孫娘が「本気の本気で『いらない』」と言った意図が、おばあさんには伝わらなかったんじゃないかと思いました。

遠慮してるのかも　とか、
こちらに気を使ってくれてるのね　とか…。

あなたにもこんな経験ありませんか？

「お返しはいらないから」「手土産なんて持ってこなくていいから気楽においで」の言葉が

本気なのか
社交辞令なのか

判断に困ったこと。

わたしはよくあります…

たとえばこんなこともありました

新婚の頃、義理のお母さんに「手土産はいいからね」と言われたことがあるのですが、あなたならこの言葉をどう取りますか？

社交辞令。真に受けたら痛い目を見る
本当にいらないんだな。手ぶらで行こう

たぶん１と取る人も多いんじゃないかと思うのですが、わたしのお義母さんの場合、正解は２の方でした。

こんな感じで、言った人と言われた人の間ですれ違いが生まれることは、わりとよくある気がします。

（夫の家は以前から、親戚間の物のやりとりを「気を使うからやめよう」と取り決めているとのことです。

気ぃ使いのわたしにとって、ありがたいルールで助かっています）

似たような感じで、おばあさんと孫娘の間にもすれ違いが生まれたのではないでしょうか。

「そうはいっても、送ったらあの子はきっと喜んでくれるにちがいないわ」みたいな……。

孫娘が小さい頃にニシンのパイを喜んだことがあり、それが忘れられないのでは？

もしかしたら、孫娘がもっとずっと小さかった頃に「おばあちゃんのニシンのパイが好き！」と言ったことがあるのかもしれません。

孫の喜ぶ顔が忘れられず、おばあさんはその顔がみたくていつまでもニシンのパイを贈り続けている…なんてこともあるのかも。

おばあちゃんあるあるですね

宮崎監督もそんなことをおっしゃっています

本当にいやなんですよ、要らないっていうのに、またおばあちゃんが料理を送ってきて、みたいな。ああいう事は世間にはよくある事でしょ。

引用：宮崎駿著書『出発点』

本当に送りたいのはパイではなく「愛情」

「本当に送りたいのは物ではなく、愛情」ということが、「いらない」と言われた物を送りつけるおばあちゃんの心理としてあるそうです。

つまり、Ｍさんの御両親（お母さん？）は「愛情」を贈りたいのであって、「モノ」が重要ではないのです。

引用：根本裕幸オフィシャルブログ

ニシンのパイのおばあさんも、本当に孫に届けたかったのはパイではなく「お祝いの気持ち」「愛情」であるのでしょう。

しかし孫娘やわたしたちは「愛情」ではなく「物」に目が向いてしまっているので、すれ違いが生まれてしまうのです。

改善策を教えてあげよう【悲劇をくり返さないために】

おばあさんの心からの善意も、すれ違いのせいで孫娘にはありがた迷惑として届いてしまったようです……。

二度とこんな悲劇を繰り返さないですむように、改善策も調べました。

ポイント

①孫娘の気持ちをよく聞こう

②孫娘は成長して、子どもの頃とは好みが変わってることを理解してあげよう

③子どもたちには子どもたちのコミュニティがあるので、あまり介入しすぎず、そっと見守ろう

おばあさんと孫娘のすれ違いは、

コミニュケーション不足
おばあさんの思い込み
価値観のちがい

が原因にあるようです。

孫娘の側にも改善しなければいけない点はあるにせよ、おばあさんの立場からは、この辺りを気をつけるといいんじゃないでしょうか。

ところで、ニシンのパイのおばあちゃんの名前や声優は？

ここまでずっと「ニシンのパイのおばあさん」「おばあちゃん」と呼んできましたが、おばあさんの名前も知りたいですよね。

声優さんもいっしょに調べました。

名前

ニシンのパイのおばあちゃんの名前は不明です。

公式でも「老婦人」と呼ばれるのみです。

おばあさんの孫娘も同じく名前はわからず、「老婦人の孫娘」。

関連記事：【魔女の宅急便】ニシンのパイの女の子の名前は？声優や裏話も徹底解説

でもお手伝いさん（ピンクの服のおばあさん）には名前があります。

「バーサ」です。

魔女の宅急便で、キキがニシンのパイを受け取りに行く家にいるお手伝いさんの名前は『バーサ』なんだよ！ばあさんじゃないんだよ！ｗ　#魔女の宅急便 pic.twitter.com/MUUsj7ftWQ
— pego * kentaro (@pego451) March 27, 2020

「ばあさん」じゃなくて「バーサ」と呼ばれてたのね！

わたしもカン違いしてました

声優

声優は、女優の加藤治子さん。

『ハウルの動く城』では「サリマン先生」も演じていらっしゃいました。

魔女の宅急便のニシンのパイのおばあちゃんとハウルの動く城のサリマン先生が同じ声優さんだと知った時、ビックリした
優しさ代表おばあちゃんと怖さ代表おばあさまじゃんな。#ハウルの動く城 pic.twitter.com/TO9UOSOIZ8
— ゆづき　ハニワ (@HoneyWorks8208) January 6, 2023